蔵出し! 『鈍色』設定ぶっちゃけトーク!! 

蔵出し! 『鈍色』設定ぶっちゃけトーク!!


レイ
“はい、というわけで、ようやく公開できるわけですね、没設定とかを”


「ああ。第1回から引っ張ったものの、結局1ヶ月以上寝かせることになったな」

祐二
「っつーか、今回だけでも相当な量になるって気もするぜ?」

まい
「『鈍色』には秘密がいっぱいあるからねぇ」

大介
「まあ、のんびり行こう。ここには容量制限は無いんだ」

レイ
“そ、そうですね。皆さんに楽しんでいただけるよう、おもしろ設定をたくさん暴露しちゃいましょう!”


「……すっっっごい不安……」


「私たち自身が知ってる以上にとんでもない初期設定があるみたいだからなあ」

ルナ
「どきどき」

璃々子
「持ってきたわ、『初期設定資料(はぁと)』……」

つばさ
「じゃあ、ひも解いていこうか……」




(1)つばさは当初、主人公級の扱いだった!


一同
「ええええええええええええええええ!?」

まい
「いやいやいやいや!」

祐二
「おいおいおいおい!」


「ないないないない!」

つばさ
「反応ひどすぎるね! しょうがないだろ! 僕のせいじゃない!!」


「一発目から強烈なのが来たな……」

大介
「つばさは知ってたのか?」

つばさ
「あー知ってたさ。バタフライゲームにおける役割は変わらないけど、僕はそれを利用してゲームマスターにひと泡吹かせるっていう役だったんだ」

まい
「何だそれ! 何だそれ!! かっこよさげじゃん!!」

つばさ
「……まあ、どう活躍する予定だったかは言えないけどね。間接的ネタばれとか、色々あるから」

つばさ
「ちなみに、森野さんとは従姉弟で、協力して暗闘するって設定もあった。もともと僕も森野姓だったしね」

璃々子
「それは私も聞いてるわ。その名残として、今の立ち位置があるとかないとか」

祐二
「……なんで変更されたんだ? いいじゃねーか活躍しても」

レイ
“『あまりにも八面六臂の活躍すぎて、主人公が霞んだから』だそうです……”

ルナ
「ちなみに、つばさに該当するキャラの活躍によって『全員が救済される』とも書いてある……」

祐二
「……すげー。ストーリーが今とは完全に別モンだな」


「……ま、まあ、そういう物語もアリだろうけどね。企画の趣旨に従ってテコ入れされて、今の形になったってことでしょうね……」

つばさ
「要するに僕はお前の割を食ったんだよ大介!! この野郎ことごとく僕の前に立ちはだかりやがって!!」

大介
「知らんわ!!」

つばさ
「……ちなみに僕は本来、生粋の2枚目キャラだったんだ」

祐二
「は? また何を言い出すかと思えば」

つばさ
「本当だ! 実はもう1人男キャラがいたんだよ! いわゆる悪友、バカ設定のやつがね!」

つばさ
「諸事情あってそいつが消えた時、設定が僕と統合されちゃったんだ!」

大介
「お、おおう」

璃々子
「ふふ、ちなみに、現在の設定に落ち着いてしばらくの間、つばさくんは今よりダメダメな感じだったんですよ」


「……は? 今より?」

璃々子
「ひたすらダメ発言を繰り返しては全ヒロインから総ツッコミを食らうとか、一人称が『俺様』とか、40インチのテレビを持っていることを自慢するとか……」

つばさ
「ぎゃあああああ!! やめてくれ! 僕のイメージがああ!!」

祐二
「いや、今とそんなに差は……あるか」

まい
「これもある意味、つばさの黒歴史ってことかねえ……」


「とはいえ、桐生も愛されてると思うぞ。今回何件かファンレターもらってたし」

大介
「インパクト大なあのシーンが一番好き、って意見も幾つかあったな」


「酔狂な人もいたものねえ」

(2)レイはボーカリストだった!


一同
「はああああああああああああああああ!?」


「こ、これはまた、トンデモナイ設定があったもんだわ……」

レイ
“これは、私も知らないです……!!”

大介
「……実際、無理じゃないのか? 鷹瀬さんは……」

レイ
“ええ、声を出せないですからね”

祐二
「なになに? 『天才と呼ばれたボーカリストだったが、事故で両親を亡くしたショックで声が出せなくなった』……?」


「あー、なるほど、それならあり得るな」

ルナ
「失われた声を取り戻す物語、というのを軸にしたストーリーもできる」

祐二
「『死んだ両親は臓器コーディネーター』」

ルナ
「……いきなりブレたの」

祐二
「んー……レイだけじゃねーな。見た感じ、全員に内臓が悪いだの家族が移植関係者だのって設定があったみたいぜ」


「あー、それ、『移植臓器の奪い合い』っていう設定が前面に出されてた段階の設定ね」

璃々子
「そんなのがあったんです?」


「うん。まあ、登場人物が病人だらけになったから没になったそうだけど」

ルナ
「病人設定はボクだけ残ったの」

つばさ
「で、臓器うんぬんに関しては現状の形に落ち着いて、そっちに集中する意味合いで、鷹瀬さんのボーカリスト設定とかもなくなったのか」

ルナ
「それと、あんまり非日常的なキャラ設定は、Tおじさんの趣味じゃない」


「……」

つばさ
「……」

ルナ
「非日常的でごめんなさい」

レイ
“え、ええと、他には何かボツ設定あります?”

祐二
「えーとな、『大介の妹、圭子の生き写しという設定だが』」

レイ
「!」

大介
「!」


「!」

祐二
「『当初は、単なる他人の空似だった』」




つばさ
「思わず数人ズッコケたよ!」


「これはまた逆方向の意外性だな……」

ルナ
「ブレてるの……!」

レイ
“ままま待って下さい! 私にとってはかなり重要な設定です!”


「いやいや大変有効なテコ入れだったかと思うわホント」

祐二
「プロット確定のギリギリ直前まで、赤の他人設定だったらしいな……」

祐二
「『その割に妹の名前は“れい”だったりと類似性があったため、関係性を出す方向になった。名前については理由付けが不十分だったため別のものになった』とかあるが」

ルナ
「うよきょくせつ……」

つばさ
「んー、鷹瀬さん的に考えると、変更が良かったのかどうか、今となっては分からないね」

レイ
“うう、何だかすごく損をした気分です……!”

祐二
「そういえば、話は変わるけどよ、鷹瀬がしょっちゅうモノローグで言ってた『×××』って何だったんだ?」

レイ
“言っていいんです?”


「まあ、分からなかった人もいるみたいだし、未読者にはワケ分かんないでしょうから、いいんじゃない?」

レイ
“『こわれ』です”

祐二
「あー……」

つばさ
「鷹瀬さんのエピソード、独自の視点を特徴づけるキーワードだね」


「2周目の心理描写では伏字にならないから、気付いた人もいただろうけどな」

つばさ
「他には?」

祐二
「まだあるぜ。立ち絵の第1稿とかいうのが」

つばさ
「なんだと(ガタッ)」

 
レイ旧衣装
 

大介
「……?」

祐二
「……どこが違うんだ?」


「これだからバカ共は……」


「まあまあ、立ち絵だと分からない気がするよ?」

ルナ
「ももがちがうの」

まい
「絶対領域だ」

つばさ
「絶対領域だな」

大介
「お、おお、ホントだ! ソックスじゃない!」

つばさ
「うむ。いわゆるニーソックスってやつだ」

まい
「にーそ! にーそ!」

レイ
「…………!!」

祐二
「……? いや、違いは分かったけどよ、どういう変更なんだ? 露出を増やしたかったってことか?」

レイ
“清原さん、刺しますよ……?”

つばさ
「あれだよ。世の中にはスカートとニーソックスの間から見えるわずかな肌色にすごい執着を示すフェティシズムがあってだね」

まい
「ふむふむ……資料によれば、ニーソの是非をめぐるナベさん v.s. ディレTの壮絶な闘争の果てに、現実のセーラー服とのマッチングを重視したほうの意見が通ったってところみたいだねえ」

璃々子
「趣味ってわけじゃなかったのかしら?」


「ふともも丸出しが!?」

レイ
“あああああ、なんだろう、むやみに恥ずかしい……”

祐二
「よくわかんねーなあ……ああ、これは分かりやすいぜ? 没になったラフ」

 
レイラフ
 

大介
「俺と初めて会った時、振り返ったシーンかな」

つばさ
「タイトル用のキービジュアルだね。今は全員集合になってるけど、最初は鷹瀬さんメインだったみたいだね」

レイ
“はあ……何だか恐れ多いです”




つばさ
「……いやー、流石謎めいたヒロイン。設定もいっぱい出てきたね」

大介
「だな。でも流石にそろそろ」

祐二
「……もう一個、爆弾があったぜ」

レイ
“まだあるんですか!? ……何です?”

祐二
「本編の2日目でカットされた、鷹瀬のトイレシーンの克明な描写がここに丸ごと――」

レイ
“とう”

祐二
「がはぁ」

大介
「……何も見なかった」

つばさ
「何も聞かなかった」

レイ
“ですよねー”

(3)璃々子はもっと胸が大きかった!


一同
(どよっ……)

祐二
「おいマジか」

大介
「これは知らない……いやむしろどんなだよ……!」

つばさ
「ただでさえ高校生にあるまじき巨乳が、成人女性でも稀有なレベルの爆乳時空に突入するぞ……!!」


「桐生、何を言ってるんだ」


「男なんてみんな不潔だわ……」

レイ
“サイテーです……”

ルナ
「たゆんたゆん……」

璃々子
「あ、あの……私もそれなりに恥ずかしいんですけど」

まい
「にゃははは、ちなみに女子のバストサイズランキングは――」

レイ
“たあ”

まい
「こはっ」

祐二
「……いやまあ、アレだろ。どうせ1ドット修正したとかそういうんだろ」

大介
「だ、だろうな。ふー驚いて損したぞ」

つばさ
「はは、はは、流石にこの目で見るまでは信用できないよね」


「何だこいつら」

璃々子
「まあ、それはいいじゃないですか、そろそろ私のコーナーはおしまいで……」

 
璃々子使用前後
 

一同
(どよっ……)

璃々子
「い、いやぁ……恥ずかしい……!」

大介
「お、おい、どこぞの巨乳マンガほどじゃないが、微修正ってレベルでもないぞ」

祐二
「一瞬見ただけじゃ、あんま変わらねーようにも見えっけど……」

つばさ
「バカ野郎ども、3次元的に考えろ! 両腕からはみ出してるだろうが! 明らかに肩幅より大きいぞ!」

ルナ
「ばいんばいん……!」


「お前ら……」


「璃々子……それでも自重してたのね……」


「って納得すると思ったかああああ!」

璃々子
「ひゃうっ!? どうしたの桜ちゃん!?」

つばさ
「おおっ、見事な羽交い絞めが!」


「レイ! おやりなさい!」

レイ
“ふふふ、一度縮んだものならば、また縮む可能性はありますよね……!?”

璃々子
「な、何を言ってるの? なぜ両手をわきわきさせてるの!?」

璃々子
「い、いやああああああ!?」




大介
「……えー、背後ですごいことが起きてるが、公序良俗的に完全アウトなんでスルー。璃々子に関する他のデータな」


「鼻を止血しろ、鳴河。……えーと、当初、璃々子にはもう少し活躍の機会があったみたいだな」

大介
「ふむふむ……『2周目パートにおける主人公的役割』か……」


「大介は『成長する』タイプの主人公じゃなかったからな。その方向性で、璃々子には活躍の機会があったらしいが」

大介
「……『シナリオ構造の都合で現状に』か。うーん、ホントに割食ってるな」


「お、ラフが出てきたぞ」

 
璃々子ラフ
 

大介
「……なんか、そこはかとなく……隠しきれない色気を感じる……」


「鷹瀬がいたら確実に1機なくなってるぞ……まあ、否定できないけど」

ルナ
「……あのシーン?」

大介
「あのシーンだろうな」


「もともとこういうアングルだったってことか」

大介
「案外、俺たちが感じたみたいな印象だったから変更されたのかもな」

ルナ
「ありそうなの」

大介
「……璃々子はこんなもんらしいな。他に思いつくことは何かあるか?」


「今回、彼女にもファンレターが来てたな。これでめでたく全員だ」

ルナ
「きよにゆうでにやんでれ……? は、ポテンシャル低くないの」


「ルナにこんなカンペ渡した変態ライターはどこだ、しばいてやる」

大介
「落ち着け巴。実際、璃々子の強さや弱さの部分に共感してくれた人は結構いたみたいだ。それゆえに好きになれない、ってのも、あっただろうな」


「ううん、みんな複雑だな」

大介
「他には?」


「あとはアレだ。森野は一番、口調が安定してない」

大介
「あー。ですます口調が鷹瀬さんだから、それと差別化しつつ、しかし穏やかな印象を出す必要があったらしいな」

大介
「で、基本ですます、ときどきお母さん口調、みたいになったらしいが」


「……そういえば、口調で思い出したけど」

大介
「何だ?」


「私と鳴河は、一番口調を差別化できてないんだ。入れ替えてもたぶん違和感ないぞ」

大介
「……い、言われてみれば、そうかもな……」


「変態ライターには猛省と技量の向上を促したいところだな」

ルナ
「大介、巴」


「ん、どうしたのルナ?」

ルナ
「璃々子が失神した。あと、つばさと祐二が鼻から出血多量で意識不明」

まい
「もしもしパパ! O型とB型の輸血パック2人前、大至急調達して!!」


「うわあ」

大介
「やばい! 巴、桜と鷹瀬さん止めるぞ!」


「ギリギリ……アウトじゃないかな、これ……」

(4)桜はもっとすごいシーンが予定されていた!


つばさ
「……何なんだ? このコーナーは男子を失血死させるトラップか?」

大介
「つばさ、もう少し横になっとけ」


「すごいって何よ」

まい
「お、おおー、本編でおなじみの、さくりんマジギレフェイスだ」


「怒ってないわ。怒ってないですとも。たぶん『すごい』ってあっちじゃなくてこっちの意味だもの」

祐二
「はぁ……はぁ……はぁ……」

ルナ
「祐二……!?」

祐二
「倒れて……られっかよ……こんな時に……!」

祐二
「読めよ、神崎……!」


「あ、ああ」


「まずは衣装だな。これもラフがあるみたいだ」

 
桜旧衣装
 

祐二
「お、おおお……!!」


「かわいい!」

ルナ
「アイドルみたい!」

璃々子
「これはまた、可愛らしいですねえ」


「……! そういえば企画段階でこんなのも着たんだったかしら……!」

大介
「でも、こんなんどこで着るんだ?」


「うーん、まあ、ディレクター側もそう思ったっぽいな。そんなわけで、ディレクター・ナベさんの強力な主導により、今のカジュアルスタイルに落ち着いたとのことだ」

祐二
「俺はこれもアリだと思うぜ桜!!」


「え、あ、ありがと」

つばさ
「うーん、確かに露出度は今よりは高いけど……すごいシーンってほどでもないよね。神崎さん、続きは?」


「……」

大介
「巴?」


「……『原作段階でフルヌードシーンがあった』」




まい
「もしもしパパ!! O型の血液もう1人前お願い!! あとティッシュ!!」

大介
「急げ! バリケードを構築しろ!!」

ルナ
(がたがたがたがた)


「ルナ、落ち着け、阿修羅のごとき桜の攻勢を目の当たりにして怖いのは分かるが」

璃々子
「それにしても、どういう脈絡でヌードを……?」

つばさ
「『迫るシーン』」

璃々子
「ああ……あそこですね……」

つばさ
「まさに、あっちの意味もあったわけだ。こっちの意味もあったみたいだけど」

レイ
“どういうことです?”

つばさ
「『現状より、もう少しかわいそうな展開』になる予定だったらしいよ。ほら」

レイ
“……うわ……”


「これは……」

璃々子
「かわいそうね……」

つばさ
「まあ、あっちもこっちも、メディアの性質だのプロットの都合だので取りやめになったみたいだけど」

大介
「くっ駄目だ、桜、桜ぁああ!! 鎮まれええええ!!!」


「いっやああああああああああああ!! もうお嫁に行けるかああああああああ!!!」

(5)まいは13歳設定だった!


璃々子
「あら、折り返し地点に至って、少しおとなしいのが来たわね」

まい
「いやいやいやいや、とんでもないって。13ってルナたんの1コ上なだけじゃん」

ルナ
「ボクはそのほうが嬉しかったな……ボクだけ歳が離れてるから」

まい
「ルナたん気にするなってー。まい的にはしっかり同級生だよ!」

ルナ
「ありがと」

まい
「っていうか、このグラフィックで中1設定は若干苦しくないかね?」


「そうかな。実際、背はルナの次に低いし、そこまで違和感はないかな」

まい
「おムネは3番目に大きいけどね」

大介
「やめとけえええ!! これ以上桜を刺激するようなことを言うなあああ!」


「きしゃああああああ!!」

まい
「にゃははは、ちなみに何で13歳じゃなくなったんだろ」

璃々子
「『これ以上、歳が離れた友人関係を構築するのが難しかったから』だそうですね」

まい
「なるほどねー。納得。じゃ、まいのコーナーはこんなところで」

璃々子
「『基本的に暗躍パートが最も多いキャラとしてデザインされ、当初は各種アイテムの他に暗殺技術を持っており』……」

まい
「りりこんやめてええええ!!」

璃々子
「ふむふむ……へえ……これは、著作権的にアウトね。校閲校閲っと」

まい
「ふぅ……」

璃々子
「思ったより原型が残ってるのね。もともとは、つばさくんと協力して動くことになってたみたいだけど」

まい
「そうみたいだねえ。つばさと同じく、性格も結構マジメだったってくらいかにゃー今と違うのは」

ルナ
「暗躍するキャラがいっぱいいたの」

レイ
“だからこそ、全員生存ルートも可能だったってところでしょうか”

まい
「ん。ズルしなきゃ厳しいよ、バタフライゲームで生き残るのは」




(6)祐二はあんまり変わっていない!


祐二
「秘密設定でも何でもねえ!!」


「祐二、安静にしときなさい」

まい
「さっきまで安静もクソもなかったさくりんがよく言うなぁ」


「ん? そういえばちょっと記憶が飛んでるわね、どうしたのかしら」

つばさ
「器用だな鷺ノ宮さんは……で、この筋肉バカについてだけど」

レイ
“元々、肉体派で直情型って設定で、役割についても大きな変更は無かったみたいですね”

ルナ
「……いや、ここ、『精神的に弱いところがある』って書いてある」


「あら本当。……ん? 待って、これ変更項目じゃなくて、現状の仕様になってるわよ?」

大介
「あー、それについては、書いてるうちにああいうキャラになったんだってさ」

璃々子
「いい加減ですねえ。結果的に男らしいキャラになったからいいのかしら……」


「本編中の清原の行動は、ある意味、逆境に誘導されたものでもあるからな」


「ひたすら状況に反抗し続けた鳴河とは多少路線が違うのはある。精神的な弱さかどうかはちょっと微妙だけど」

ルナ
「『頭が切れる』とも書いてある……」


「それは嘘だわ!?」

まい
「うーん、いつの間にか正反対の設定になってるねえ」

つばさ
「多分これもキャラが減った弊害だ。バカ設定が拡散したんだよ。まったくいい迷惑だな祐二!」

祐二
「いやまあバカなのはいいんだけどよ。元々はもう少しワルな設定だったとも聞くぜ」


「そうらしいな。確か、現状の私や森野、ルナ以上にひどい過去設定があったはずだ」

ルナ
「ブレるから、その設定はなくなったの」

祐二
「お、おう、そうか……なんかわりーな」


「いいじゃない。祐二は作中、あなたなりに立派に動いた。その結果、ファンのみんなは喜んでくれたはずよ」

(7)ルナの苗字決めはとても難航した!


ルナ
「パパが日本人で、ママが日本人とフランス人のハーフなの」

ルナ
「ちなみにエカルラート(ecarlate、冒頭eは`つき)は英語のスカーレット(scarlet)と同じ、『緋色』を表すフランス語」


「瞳の色と関係してるのかな」

ルナ
「そうかも」

つばさ
「ところがどっこい、最初は『ルナ・エカルラート』の名前しかなかったそうだね」

ルナ
「みたい」


「ふむ……『苗字はケムコ内で検討、難航の末、月島に決定。他の候補は記録には残っていない』か」

祐二
「なんだ、つまんねーな」


「……『但し、月島は当初、もんじゃ焼きを想起させるというディレTの指摘により却下』」

祐二
「ぶっ!?」

ルナ
「もんじゃ……」


「『その後、駅名をヒントにi●honeの駅名検索を決行』」


「なんていい加減な決め方なの……」


「『但し山手線は緊急回避』」

大介
「ああ、山手線はなあ」

まい
「一味違うからねえ」


「『それでも決まらず次第に迷走し、増毛(ましけ)だ半家(はげ)だと珍駅名が挙がり出してからは鬼瓦だの山嵐だの無関係な珍名を挙げまくるだけのグダグダな会議になったため、もんじゃ焼きで妥協』……」

つばさ
「……もんじゃ焼きで妥協って……」

レイ
“月島って名前はともかく、妥協って言葉に問題アリですよね”

ルナ
「こんにちは。ルナ・エカルラート・もんじゃです」


「ルナ、自虐的になっちゃダメだ! きっともっといい情報だって書いてあるよ!」

ルナ
「ほんと……?」


「さあごらん、なになに、『プロット初期の段階では、大介と一緒にシャワーを浴びるシーンが』」




ルナ
「ともえ……大介……! ごめんね、ごめんね……」

まい
「えー、もしもしパパ。A型の血液2人分お願い。うん、女の方は鼻血、男の方はバーサークした幼女が滅多打ちに、うん」

璃々子
「またこのパターンなのねえ」

祐二
「にしても、何歳向けのゲームにするつもりだったんだよ……」

つばさ
「エロはやらないってのがケムコの方針だからね。今の『鈍色』本編の表現がギリギリだと考えていいんじゃないかな」

レイ
“ところで、本編とは違うんですけど”

つばさ
「どうしたの?」

レイ
“ケムコ最強のロリって何のことですか?”

つばさ
「……」


「……」

まい
「……る、ルナたんのことじゃないかな? ほら見なよあの戦闘力、エ●ジ生命体の1人や2人――」


「わー! わーー! アウトアウトアウト!!」




(8)巴は最初、いなかった……



「あー、うん、上がった血圧を下げるのにちょうどいいね、この寒い感じ」

つばさ
「神崎さん、気をしっかり!」

璃々子
「ううん……いなかったって、また」

大介
「『最初期案、現在のつばさの活躍により全員が救済される案だと、犠牲者にあたるポジションには名もなき少年がいた』」

まい
「ほほう……」

大介
「『しかも少年は既に死体。これにより主人公らが殺人を犯すのを回避していた』」


「なるほど、完全に殺人はゼロに抑えられてたのね」

レイ
“……私たちが言うのもなんですけど、誰も死なないほうがよかったんでしょうか”

まい
「んー。そりゃね。たとえズルしようが何しようが、まいたち的には誰も死なないのが一番ハッピーだけども」

ルナ
「全部茶番ってなった時、ドラマの品質が保てるか分からないの」

大介
「……そういう理由で、『急遽、友人の1人として、犠牲者の役割を担うキャラが設定された』とのことだ」


「んー、仕方がないよなあ」

大介
「しかも、『最初は完全に罪のない善人だったが、物語の深みを出すために過去設定が追加された』とある」


「……仕方がないよなあ」

祐二
「何つーか、割を食いすぎじゃね?」


「その分、スタッフからも結構愛されてるわよ。巴のファッションはディレクターのナベさんイチオシだって」


「それに、結果的に、巴のおかげで、序盤の掴みはがっちりOKだったんじゃないかしら」

つばさ
「だね。神崎さんが大介に告げたセリフも、印象深いものになったみたいだし」

ルナ
「……ここでもう一回会えたから、いいんだ。ボクは、幸せ」


「……ルナ……」


「……ありがとな」

大介
「……」

まい
「……大介、グッと来てるところ悪いんだけどさ」

大介
「……何だよ。グッと来てるんだから邪魔するなよ」

まい
「うん、最後、大介の番なんだよ……」

大介
「あ、そうか。どれどれ」

(9)大介は原型をとどめていない……


大介
「……え?」

大介
「…………何それ? 俺って俺じゃなかったの?」

大介
「………………ただでさえ顔グラフィックもないのに、さらなるアイデンティティの危機なんだけど」

まい
「んー……まあ、さっきからの内容を踏まえると分からなくもないかも」

大介
「どういうことだよ……」


「そもそもは桐生や水無瀬が活躍してみんなを救う話だったんだろ?」

祐二
「スケベイベントもあったみたいだぜ」

璃々子
「……要するに、大介くんはラブコメ担当だったんですね」

大介
「ラブコメ……担当……?」

璃々子
「ええ。女の子みんなと仲良くするシーンももっと多かったみたい。そこを、やはり主人公なんだから、ちゃんと活躍させよう、という方針に変わったと」

大介
「俺は――前の俺は、一体どんな桃源郷にいたってんだ――!」

璃々子
「まあ今もそのケはあるみたいですけど」

大介
「どの辺がだよ!」


「そそそそうよ、どの辺がよ」

レイ
“さっぱり分かりませんよね!”


「私にもよく分からないが何故だろうイライラする」

ルナ
「ふけつなのはよくない……」

つばさ
「ピュアピュアな人は?」

まい
「ぷー」

大介
「何だそりゃ……分からない、何も分からない……」

大介
「俺は――俺は、誰なんだ――」

つばさ
「まずい自我の崩壊が始まった。しっかりしろ大介」

まい
「んーまあ無理もないかにゃー。大幅なテコ入れの果てに、修正されてないセリフは『あっちぃな』くらいだとか書いてあるし……」


「うーん……」


「……でも良かった……今の大介になってくれて……」

レイ
“本当にそうですね……”


「ん?」

レイ
“え?”


「なななな何でもないわよ!? 私は級友からヘンタイが出てほしくないだけで!?」

レイ
“わ、私も先輩がまともになって良かったってだけですよ!?”

つばさ
「やれやれ。まあ、アレだね」

祐二
「何だよ」

つばさ
「黒歴史を引っ張り出してきても、傷つくだけだってことだね」

大介
「分かってたなら最初に止めろ、この野郎!!」

つばさ
「ははははは! お前にダメージが与えられて僕は満足だ!!」

祐二
「ひっでえ」


「まったく」

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