キャラ紹介・裏も表も! 

キャラ紹介・表も裏も!



「そんなわけで、ここは雄ヶ原蓮と!」

征史郎
「城本征史郎の飯炊き担当コンビがお送りしよう」


「ここでは皆さんの簡単な紹介と、物語上のエピソードや、それ以外の裏設定、没設定なんかについてざっくり話していきましょー」

征史郎
「僕の手には作者から強奪してきた設定集があるので、それをもとに無秩序な感じで進めて行こうと思うぞ」

七緒
「……忘れないで下さいよ、断片集が売れなくなったら本末転倒です」

征史郎
「オーケー和馬、七緒にいつもの変態的折檻を」

和馬
「誰がやるかボケ」

七緒
「……」

和馬
「黙んなゴラァ!! いつもみてーにそうだ横暴だとか喚いとけや!!」


「えーラチあかないんでみなさん強制的にクジを引いてくださいな」

エレナ
「出来レースじゃねーんスか」

征史郎
「これの原文書いた頃は作者が某国の某イベントに生体搬送される直前だったんで、そこまで考える余裕がなかったそうだ」

彩音
「ふふふ……1番を狙うぞー……本編でも1番乗りだったからなー」

七緒
「ほんとサクッとネタバレするんですね」


井之上 亮也


「はい、そーゆーことで、まずは亮也さんです!」

彩音
「まじかよ……けっ……ちっ……ぺっ……」

亮也
「あはは、ひどいな」

征史郎
「では、自己紹介をしてもらおうか」

亮也
「オーケー」

亮也
「――井之上亮也、17歳。管弦部では、彩音先輩の介護係ってことになってる」


「本人謙遜していますが大変よくできたイケメンで頭脳明晰スポーツ万能女性の扱いもぱーぺきと、志加多第三高校のまさに生ける秘神でらっしゃいます! あとは管弦部で楽器ができる数少ない人材!」

亮也
「あはは」

征史郎
「しかしながら本編ではいささかハードすぎる役割となっていたな」

亮也
「まあね。それは俺の業の深さのせいだから」

和馬
「それがてめーの抱える問題……感動が無い、つーやつか」

亮也
「そうだね。どんな感情によっても、俺は取り立てて動くことはない」

亮也
「――逆に言えば、何かの苦境に際して、感情を糧に動くことができない」

みこと
「……でも、そうじゃなかったんだよね?」

亮也
「君に言われるのも複雑だけど、あはは」

みこと
「……え、えーと、あは、あはははは」

亮也
「――その通り。感動とは感情に動かされること。俺はそれを求めていた。そして本編で、それを得た」

和馬
「……だからオールOKなんて、俺には思えねーがな」


「ごほんごほん、えー、では設定の方に行きましょう。実は茶髪だっていうのは設定に無いですね?」

亮也
「だね。背が一番高くて細マッチョ、色素薄めの柔和な美形。髪は長め、とのことだけど」

征史郎
「初稿が良かったのでそのまま採用になった、とのことらしいな」

亮也
「ほら、俺って高校デビューしてるから、その感じとも合うでしょ」

エレナ
「合う合う! 管弦部茶髪チームつくろーぜカズっち」

和馬
「何する部なんだよ……」

征史郎
「ちなみに名前については、作者のイトコの名前から一字もらったそうだ。また、初期設定だと『三木谷 亮也』という名前だったようだな」


「ええええええ!? そんなの私のアンチョコにないですよ!? あっみこと先輩がうつった!?」

みこと
「やめてよーーー恥ずかしいよーーー!!」

征史郎
「さっき七緒からゾディアックゲームの設定集を受け取ったのでな」

亮也
「あはは……三木谷、か。なんか某有名人みたいだね」

征史郎
「完全にそういう理由で変更になったらしい。あと、『トガビト』企画が固まる段階で、全体的に名前の調整が入っているそうだ。方針としてはより地味な感じになるように、と」


「ちなみに三木谷さんのスペックは『穏やか賢者系。万能超人。数日間女生徒を連れまわした件で補導歴』だそうで」

亮也
「……んー、某女子と過去の因縁がある、という点が俺に引き継がれてるっぽい気がする」

みこと
「……あはは」


雄ヶ原 蓮

征史郎
「司会の片割れの番か。自己紹介を」


「はいはいー! 雄ヶ原蓮、16歳ですよ! 2年生中心の管弦部における数少ない1年生部員なのです。管弦部の妄言製造マシーンなどとゆー謎なポジションにおります」


「まあ楽器技能はカラッきしな上にドジばっかですが、家事全般はそこそこできるので、炊事係として管弦部において頂いているという」

和馬
「そーゆーわけじゃねーと思うが……」

征史郎
「うむ。管弦部への入部条件とは、千鶴先生のお眼鏡にかなう『悪さ』と、彩音先輩の要求に足る『面白さ』だからな」

彩音
「うむー……雄ヶ原姉はおもしろかわいいからな……お気に入りだぞ……」


「やや、そんなもったいないお言葉を」

千鶴
「ふふ♪ ちなみにそんな先生が気に入った『悪さ』ってなんだったかしら?」


「……やっぱり、過去のことでしょう」

征史郎
「そういうことのようだな。過去に近所で起きた不幸な事故、家庭における不遇、そして再度の事故……『とがびとのせんりつ』というメロディーが関わる2つの事故が、蓮の持つ歪みの主因としてあるだろう」

和馬
「……あと、本編で見せた、完璧な演技、な」

千鶴
「そうそう♪ その由来である『他人から必要とされるために、普段から意識して人格を作ってきた』ことも中々に病的でいいわね♪」

エレナ
「……んでまあ、最終的には、そーゆーもん同士がくっついたってことでいーんスかね」

征史郎
「どうかな。結果的に、形としては利他的な性向を持つ人間が生き残ったということになったが、別にそれを貫き通した結果として命を拾ったわけじゃない」

征史郎
「他の人間が身を引いたり、気まぐれを起こしたりしたせいもある。この結果はあくまでカオスの結末、僕らの呪いの物語の一つの結実した形だという理解にとどめるべきだろう」

エレナ
「いちいちスッキリしねー」

征史郎
「そんな非スッキリ人間の蓮のその他の事項は?」


「非スッキリ人間て……あ、はい、元々は悠ともども名字が違いました」

亮也
「なんだったんだい?」


「えーとですね、例のゾディアックを読む限り、『源田(げんだ)』だったそうです。源田蓮」

みこと
「……」

和馬
「……ゲンダレンか。なんかゴツイ名前だな」


「あーはい、作者が『ゴツイ名前とのギャップ萌え』狙いで設定してたところ、ディレT様からゴツすぎんだろってストップがかかったそうで」

征史郎
「現状の『雄ヶ原』もそこそこ雄々しい字面だから、間をとったってことか」


「ですね。ちなみに雄ヶ原は地元のスキー場の名前から取ったそうですよ」

七緒
「相変わらず適当な名付けだな……」


「どうでもいいですがそのスキー場で作者は無謀にも上級者コースに挑んで遭難しかけたそうです」

和馬
「マジでどうでもいいな」

征史郎
「他には……うーん、資料上はまだあるみたいだな」

みこと
「メインヒロインだもんねー?(にこにこ)」


「や、やめましょう今は。ええとですね……源田蓮ちゃんの設定は『愛嬌ドジっ子系。表情が豊か。級友への陰湿ないやがらせ行為で指導歴』だったとか」

エレナ
「ヤな奴じゃねーっスか」


「わ、私じゃないですから! あと、若干痛い系の敬語キャラというのが作者のお気に入りらしいので、私もそこそこお気に入りだそーです。とはいえそのせいでシナリオ上の優遇を受けたというこたぁないのでご注意を! それと最近流行りの某邪神が原型ということは全くなく、雄ヶ原蓮のルーツはその昔生みだされた『ジェずみおてえ』と言うキャラだそーでして」


「だれそれ……」


「あと!! 名前の響きが似てて敬語後輩キャラだからといって無双展開逆転エンドが確約されるという法則があるわけではなく単なる偶然の一致だそーでしてそこもお間違えなく!!」

征史郎
「暴走し出したからそろそろ止めるか」

和馬
「手遅れくせーがいいのか」


鳩田 くるみ


「では次、くるみちゃんですよー」

くるみ
「……鳩田くるみ。11歳。管弦部じゃないけど、入ってあげてもいい」


「その場合のポジションって何になりますかねえ」

みこと
「マスコット?」

七緒
「破壊工作員」

亮也
「良心」

彩音
「保存食」

くるみ
「どうすればいいの!?」

エレナ
「うっしぇーっスなー。立ち位置なんて後から付いてくるもんなんスからフツーにしてりゃいいんスよ」

くるみ
「エレナはそれでボス猿なんだ」

エレナ
「ギャルっスよこんガキャあ!! つっかてめーなんざカズッちの腰巾着でじゅーぶんだおら!!」

くるみ
「じゃあそれでいい」


「……えー、なんでここまでエレナ先輩と仲が悪いのかといいますと、どうも設定段階の『虚言癖』というのが影響してるみたいですねえ」

征史郎
「うむ。本編でもその痕跡はあるが、基本的には嘘をついてばかりのキャラという扱いだったようだな。後述するエレナの設定上の性格とは相容れるはずもない」

和馬
「まーそれが無くてもフツーに衝突しそうだけどなこいつら」

千鶴
「喧嘩するほど仲が良いっていふうにも見えるけど♪」

七緒
「ちなみに彼女は過去設定が『断片集・殲率』でようやく明らかになるわけですが」

くるみ
「別にいらない!」


「あんまり、おじさんおばさんと仲良くないんだよね」

くるみ
「いらないっていったじゃん! ばか悠!」


「ごめん……でも、みんな何かそういうのあるよね」

和馬
「あー」

エレナ
「まーそーっスねー」

征史郎
「変わった人格の形成には必ず平凡ならざる家庭の事情が関わっている、というのが、『トガビトノセンリツ』の設計理念には含まれているそうだ。さらに言えば、僕らの家庭の問題なんて現実世界でもありふれた類のものだろう」

千鶴
「それにしても非凡な子もいるようだけど♪」

七緒
「誰のことでしょうね」

くるみ
「もう! そういうことじゃなくて! 別に誰かと比べなくてもいいから、くるみはそのことに触れたくないの!」

和馬
「そーだな。やめようぜ。解決するわけじゃねーし」

くるみ
「でしょ! もうほっといて。あと和馬は肩もんで」

和馬
「コウデゴザイマショウカ」

くるみ
「そこほっぺ!! いひゃいいひゃいいひゃい!!」


「……くるみちゃんも和馬先輩を好きなんですよねえ」

みこと
「そうだね、困ったね? ねー七緒ちゃん」

七緒
「僕に振らないで下さい!」

征史郎
「ちなみに彼女の前身となったのは『鳩町 詩織(はとまち しおり)』という人物だ。自称迷子で虚言癖、この辺りは近いが、実は施設から抜け出した天涯孤独の身の上、という違いがあったようだな」


城本 征史郎

征史郎
「次は僕こと城本征史郎(17歳)らしいな」

和馬
「腐れメガネか」

征史郎
「そんな呼び方するのはお前だけだけどな」

和馬
「どいつもお前の本性を知らねーからな」

征史郎
「本編で一通り出ただろう」

和馬
「あ、そうか。ドン引きしただろてめーら」

みこと
「んー……というより、やっぱり2人は仲がいいなって」


「ええ全く、嫉妬を通り越して興奮するくらいですね!」


「お姉ちゃん気持ち悪い……」

七緒
「特殊な趣味を発揮してないで先に進めてよ。ここは司会が1人なんだからさ」


「これは失礼! えー、管弦部における立ち位置はみなさん知っての通りマッドサイエンティストとのことで」

亮也
「作中でも色々開発してたよね」

征史郎
「まあゲームを根本的にひっくり返すようなものは作れなかったが」

くるみ
「爆弾とか作れればよかったのに」

征史郎
「流石にそういうものを簡単に作らせてくれるほど監獄長はやさしくなかった。ある種の農薬とか硝酸とかがあればよかったんだがな」


「えー、ちなみに、設定段階では性格が今とちょっと違ってたとのことですね?」

征史郎
「らしいな。書いてあるところによると」

みこと
「どんなの?」


「前身となったのは『風巻 征史朗(かざまき せいしろう)』。征と史という文字は、彼のミリオタという要素から採られたものだそうです。エリート系で他にも医学オタ、科学オタとされており、校内での爆発事故で指導されたことがあるとか」

征史郎
「今の僕はもう少し守備範囲が広いが、まあそう変わっていないな」


「ちなみに初期段階の城本征史郎さんは『友情をはき違えていて、親友=何をしても許されると考えており、ゲームにのめりこんで和馬を拷問しまくる』とあります」

和馬
「後半はともかく、前半当たってんじゃねーか!」

征史郎
「何を言ってるんだ、僕はちゃんと許されるであろうギリギリのところで自制しているぞ」

和馬
「ギリギリを狙う必要皆無だろ! 普通にしてろよ!! つーか人を覗き魔に仕立て上げたり特製脱色液で茶髪にしやがるのは許容範囲外だかんな!!」

みこと
「えっ和馬くんの頭って城本くんのせいだったの!?」

征史郎
「あれは不幸な事故だったな」

和馬
「お前の尾てい骨をポキポキする」

征史郎
「おいやめろ」

七緒
「やれやれ……まあ今くらいに落ち着いて良かったんじゃないですか。竹井先輩を時に励まし、時にたしなめ、最終的に竹井先輩をトゥルーエンドまで導いたのはあなたでしょう」

征史郎
「果たしてそうかな。僕は全員が好きなようにすることを呼びかけただけだ。そのせいで起きた不幸もあると考えてるけどな」

エレナ
「……今はもう、いいじゃないっスか」

亮也
「ああ。なんだかんだで、征史郎はいい仕事をしたと思うし、そのおかげでユーザ支持率は断トツなようだし、いいじゃないか」

征史郎
「ううむ、僕は前に立つタイプではないんだが」

和馬
「……」

征史郎
「先生、和馬が凄まじく怨念のこもった目で見つめていて怖いです」

千鶴
「あらあら、だめよ竹井君♪ いくら自分のユーザ支持率がかなり低そうだからって♪」

和馬
「濡れ衣とはいえ泣きたくなっからやめてくんねーかな!!」


萩尾 恵澪奈

征史郎
「そんなわけで次はフルネームが見慣れない率ナンバーワンにして僕が密かに想いを寄せるエレナだな」

エレナ
「そーゆーわけでー」

エレナ
「……あんさ、流れにこっそり致命打織り交ぜんのやめてくんね? 困るんスけど、つーか戸惑う、激しく」

征史郎
「うむ、ぜひとも激しい戸惑いのなか『はわわわ』とか言いながら進めてくれ。僕はそれを楽しむ」

エレナ
「リップ鼻の穴に突っ込むぞてめー……」

征史郎
「雪村に質問だが、唇と鼻孔だと関節キッスは成立するのだろうか、両方粘膜だが」

みこと
「かなり知らないよ!!」

和馬
「どうでもいいから先に進めろ」


「おっとここで彼氏を取られたくない和馬先輩がジェラシーからのインターセプトだあ!」

和馬
「……彩音先輩、こいつくれてやる」

彩音
「うびょろうびょろびゃろびゅろびょびょろびょ」


「ぎゃあああああああ!!!」

エレナ
「……えー、萩尾エレナ、17歳っス。立ち位置は管弦部のギャル」

征史郎
「『トガビト』の構想のかなり初期からエレナはいたそうだな」

エレナ
「まーねー。初めは『ガッコの外れモンばっか集まってたクラブ』っていうとこだけ決まってて、んならギャルみてーなのもいんじゃね、みたいな感じだったっぽいっスよ」


「それがさっきの『少年非行研究会』のことですね……」


「前身となったそのキャラは『尾乃 悠宇愛(おの ゆうな)』さん。金髪ギャルで、薬物使用で補導歴ありとのこと……これはある意味本編に繋がってますが真逆ですねえ」

エレナ
「そーっスね。名前だけは、あっし的には前のやつのほうがマトモそーでいーな」

征史郎
「制作陣もそのように、つまりマトモすぎると思ったらしく、恵澪奈の名づけはナベDが頑張ったそーだ」

エレナ
「ぶー」


「それはそうとですね……な、なんか、エレナ先輩が文化祭で『校内の経験済み率実測値』とかを発表するとか、そーゆーシーンが想定されてたそーですが」

みこと
「えええーーーー!?」

七緒
「聞きたくない聞きたくない聞きたくない!!」

和馬
「男のほうが聞きたくないわそんなもん!」

征史郎
「童貞らしい率直な感想ありがとう」

和馬
「てめーもだろうがああああ!!」

エレナ
「くひゃはははは! そりゃいいッスなぁ〜色々ばらしちゃうぜ〜〜」

和馬
「……七緒、そういう表現ってゲーム的にアリなのか?」

七緒
「スマホだとアウトだったかもしれませんね……」

征史郎
「ギャルと貞操観念のゆるさというのは必ずしも結びつかないものだと思うがな。というのは僕の幻想か?」

亮也
「そういうところ含め、自身ギャルとの接点がない作者は結構書くのに苦労したみたいだね」

くるみ
「いいじゃん、エレナはふつうのぎゃるとは違ういきものだし」

エレナ
「毎度いちいち引っかかる言い方っスなー」

くるみ
「ほめたのに」

征史郎
「ちなみに設定段階ではより『人間不信』の度合いが強いキャラだったとのことだが……そういえば本編でもそんな台詞があったな」

エレナ
「そーっスよー。つか、うやむやになりがちな初期設定の中では割と生き残ってる方じゃね? 嘘つきちびくるみと人間不信なあっしがバトるとかの場面は、結局無くなっちまったみてーっスけど」

征史郎
「看守と囚人の組み分けで同チームだったしな。あまり同チーム内で争っていると話が進まなかっただろう」

エレナ
「ヘイ、譲歩してやったんスから敬えよガキ」

くるみ
「最終的にあんなことやこんなことやったエレナは敬えない」

エレナ
「……」

くるみ
「……ごめん、ちょっとは敬う。派手な化粧がうまいとか」

エレナ
「カズっち、こいつしばくのに何がいい?」

和馬
「ほっぺをこう」

エレナ
「へー、こーっスかー」

くるみ
「いひゃいいひゃいいひゃい!!」


雪村 みこと


「えー、一連の微妙に気まずいドタバタはおいといて、次いきましょう! 志加田第三高校2年生にして管弦部のマドンナ、そして『トガビト』のメインヒロイン、雪村みこと先輩です!!」

みこと
「待ってーー!! どう考えてもおかしいよね!?」

征史郎
「何が」

みこと
「だって散々暴れた果てにフツーにあーなってそーなって退場したじゃん!」

征史郎
「確かに初期設定には『メインヒロインに見せかけた噛ませ犬』と書いてある」

みこと
「ひどいーーーー!?」

征史郎
「うそだ」

みこと
「うそなの?! でも冗談になってない感じを受けるんだけど!?」

征史郎
「本当のところは、雪村は『お約束の打倒』のための犠牲になったのだとも言える」

みこと
「お約束……?」

七緒
「まあ、『トガビト』キービジュアルを見ても、雪村先輩は明らかにセンター、ヒロインの紹介順でもトップですし、デザインや設定などどこをどう見てもメインヒロインですよね」

七緒
「それゆえに、『メインヒロインなら生き残るだろう』という邪推を受ける可能性も、あったでしょうね」

征史郎
「メインヒロインだからといって生き残る保証にはならない。ましてやメインヒロインルートが確定しているなどということはない。それは厳密には非マルチエンドであり、『誰が生き残るか』が重要な主題となる本作において、保証しておく必要があったということだ」

七緒
「……とは言いますが、実際、雪村先輩が恐ろしく割を食っていることは間違いないでしょう」

征史郎
「何を言うか。悲劇的退場というのはある意味もっともおいしいメインヒロインの特権だぞ」

みこと
「うれしくなーーーい!! というかぶっちゃけ生き残ろうが死のうが関係ないよ!! 雪村みこと的には、和馬君の!!」

和馬
「お、俺の?」

みこと
「そう! 和馬君の雪村みことに対する非常に煮え切らない感じが気にくわないんだよ!!」

和馬
「うぐ……そ、そうは言ってもな」


「すみませんがあきらめてください雪村先輩!! 本編エンドはこの雄ヶ原蓮が頂きました!!」

エレナ
「……それっスけど……良く見たら、別に蓮ぽんエンド確定してなくね?」


「えっ」

征史郎
「うむ、詳細は避けるが、蓮は極限まで弱った和馬の身柄を確保しただけで、感情的なところの結論は全く出ていないようだな」

千鶴
「まさによくあるトゥルーエンドって感じね♪」

彩音
「恋愛感情そっちのけで満身創痍である」


「えええええ!? そんなああああ!!」

亮也
「つまり結局、ルートはまだ確定してない、と」


「お兄ちゃん、最後まで誰が好きとか言わなかったもんね」

七緒
「なるほどですね」

七緒
「――今出してくださいここで結論を」

みこと
「あっ七緒ちゃんずるい!!」


「私も聞きたい! 和馬先輩さあさあ!!」

和馬
「いや、その……助けてくれ征史郎」

征史郎
「こればっかりは地獄に堕ちろと言ってやろう」

亮也
「和馬はもう少し自分の恵まれた環境を自覚したほうがいいな」

千鶴
「あらあら四面楚歌ね♪」

くるみ
「……くるみはカズマの味方」

彩音
「幼女は寛大だなー……」

くるみ
「くるみにはヤンデレじゃないっていう強みがあるから」

みこと・蓮・七緒
「――――――」

征史郎
「……司会と対象者がフリーズしたので僕から。雪村の場合は『死別』や『いじめ』といった経緯により『自我の変質』という問題を抱えている」

和馬
「……それが俺の過去と絡んでくる」

征史郎
「ああ。そして、和馬の問題の解決が、雪村の問題の解決に繋がるはずだった――が」

監獄長
『ソレガ成ラナイ、トイウ、コレモマタ味ワイ深イかたるしすゥ☆」

和馬
(猛然と疾走)

監獄長
(忽然と失踪)

征史郎
「……まあ、そういうわけだ。そんな雪村の無念だが、『無名の断片』の流れだと挽回のチャンスが無いわけでもなさそうだぞと」


「むむぅ。……ちなみに『ゾディアック』でもお名前は雪村みことだったみたいですね。どちらかといえば不思議系ヒロインで、誰も過去をしらない、とか」

エレナ
「『無名の断片』で不思議な嗅覚の持ち主だってバレたっスけどねー」

みこと
「もおおおお!!」


雄ヶ原 悠


「次は僕だね!」


「はいはーい、出来のいい当家自慢の弟ですよー!」

征史郎
「裏を返せば完璧殺る気なブラックショタボーイだったとのことだが」

千鶴
「将来が楽しみだったのに、惜しいことをしたわ♪」


「えへへ」


「あはは」


「……ええと、すみません、皆さん、さっきから若干やりづらいのは私だけでしょーか」

和馬
「奇遇だな、俺もだ」

七緒
「まあ、本編通して我々の関係性は足元から崩れ去りましたからね」

亮也
「一通りの真実を経験した者として、前と同じように接するのは、ちょっと難しい面もあるかな、確かに」

千鶴
「それについては今後のコンテンツで特設コーナーを設けるかも♪」

彩音
「ほう……それはたのしみだぁ……」


「えっと」

征史郎
「む、すまん。悠のコーナーだったな」


「うん、雄ヶ原悠、10歳。管弦部のごくあく予備軍だって!」


「そんな呼び名で呼んでたんですか先生ーー!!」

千鶴
「褒め言葉よ♪」

征史郎
「『表』の悠は、『小心で純朴な男の子』かつ『シスコン』なんていう特徴が設定されていたようだ」


「……ぼくそんなにお姉ちゃんにべったりだったかな?」

エレナ
「どっちかつーと蓮ぽんのが、ゆークンべったりだった気ーすッけど」


「えーと、それについては作者のメモが……『歳が離れている等の原因で、悠はどうしてもセリフが少なくなりがちだった。引っ込み思案な性格だと全く喋らなくなったので、想定よりも明るい性格になった』とのこと」


「元気な弟になってくれて、私的にはノープロブレムな方針転換ですね!」

征史郎
「一方で『裏』の悠は……」


「――出てきたほうがいい?」

征史郎
「やめとこう。若干ネタバレ過ぎる」


「ん、分かった」

みこと
「……悠くんって、多重人格なの?」

和馬
「あー、そいつは違うと思うぜ。断片集で悠も言ってたけどよ」

征史郎
「うむ。ハッキリさせておくが、『トガビトノセンリツ』はフィクションであり、実在の疾患や症例とは一切関係ない。が、だからといって現実を完全に捻じ曲げるようなウソをつく気はあまりない。『多重人格』なる精神の在り方については、その呼び名から診断方法、向き合い方に至るまで非常にデリケートなものゆえ、ここで『このキャラは多重人格です』という安易な決め付けで定義付けを行うことはしない」


「だから、僕もななおさんも、そんな変わった病気や性格なわけじゃない。演技が上手いだけなんだよ。自分自身に対する、ね」

七緒
「……巻き込まれた。まあ否定はしません」

エレナ
「むずかしー話はいーっスよ。次次」

くるみ
「10歳児もついてきてる話についてけないギャルって――あっやめてあうあうあうあう!!」

彩音
「ようじょのひめいを肴に話を進めるのだ……」


「あとは――虫捕りが上手いって設定が断片集でふってわきましたね」


「もとはゲーム好きってことで、プリズナーゲームに色々口出しする予定だったよ!」

征史郎
「実際には口出しする隙がなかったとのことだ。どいつもワルのくせによく舌が回るからな」

和馬
「てめーを筆頭にな」


「あ、でも僕の特技は『無名の断片』で活躍するよ!」

和馬
「……アレ活躍か?」


「あとは、前身となったのは私と同じく『源田』姓である『源田 幸(げんだ こう)』だったようです。名前が何で変わったのかはスタッフ一同覚えてないんですが、何かの被り回避かなにかの意図でナベDが『悠』を提案したみたいですねー」

征史郎
「もともとは毒のないキャラだったようだな。当然前科はなし、その上親なしだったようで、現在の家庭周りの設定は全て新しいもののようだ」


向島 七緒

七緒
「次は僕ですね」

和馬
「以上」

征史郎
「さあ彩音先輩の番ですよ」

七緒
「なんで!?」


「いやー今日も元気にいじられておいでの、向島 七緒ちゃ……くんですよー」

七緒
「……ったく……ええ、16歳、立ち位置は管弦部のハッカーってとこですか」

和馬
「ハッカーって自分で言うのすげー恥ずかしくないか?」

七緒
「実力が伴ってるので恥ずかしくないです」

征史郎
「じゃあこの白字に筆文字で『スーパーハカー』と書かれたTシャツを進呈しよう」

七緒
「だっさーーー!!!」


「……えー、こんな風にいじられていた七緒くんですが、なんと男装の麗人であることが本編で明らかになる……と」

亮也
「これは流石に驚きだったね。よくも隠していられたよ」


「エレナさんは気付いてたよね」

エレナ
「まーねー。ギャルは案外鋭いんスよー」


「更に複雑な家庭事情、幼児期のトラウマに、歪んだ善悪観、心に秘めた闇、膨らんでいくおっぱいと恋心……などなど、こら盛りだくさんですな! オタクとしてこの私、興奮を禁じ得ません!」

七緒
「うわあああああ!! そんな言い方するなああ!!」


「ちなみに七緒くんの前身は『向島 七子(むかいじま ななこ)』という何らてらいの無い陰気無口系のハッカー女子だったそうです! メガネを外すと意外と美人とゆーまたベタな設定!! しかもサイバー犯罪で少女苑送り経験があるものの基本的には善人側で最終的に主人公の相棒ポジション!! 私は七子ちゃんより七緒ちゃんを激烈に支持します!!」

七緒
「すっごい個人的な事情じゃないかあああああ!!」

征史郎
「……ま、本編を見れば分かる通り、今の七緒はこの物語のかなり深いところに食い込んでいるキャラだ。特に、『旋律』と『戦慄』のラインを結ぶ存在だから、それだけ設定に厚みも出ようというものだな」

和馬
「……七緒、1個聞いていいか」

七緒
「なんですか!」

和馬
「お前、悪い奴なのか?」

七緒
「……」

七緒
「……ええ、おそらくは、男である僕の考えも、結局は女であり『悪』であるわたしの考えを裏側からなぞったものにすぎないのでしょう」

七緒
「さらに、僕は社会に害悪を与えていますからね。逮捕されるようなことはないでしょうが、僕は悪者です」

七緒
「……で、どうします? 僕を殺しますか? 訴えますか? 部から追い出しますか?」

和馬
「そんなお前が喜びそうなことはしねー」

七緒
「何ですかそれ!?」

和馬
「つーか、それ言い出したら捕まりそうな奴ら他にいくらでもいるしな」


「え?」

征史郎
「なんのことだかサッパリ」

エレナ
「カズっちーやめよーぜポリ的な話はよー」

和馬
「とりあえず本編のお前についちゃあ、ここで話しても何にもなんねーし、残念だったっつーしかねーな」

七緒
「……ふん、人ごとみたいに」

和馬
(おい、今後場があるっつーんだからここでは勘弁しろや)

七緒
(そんなことで複雑な『悪』心は納得できません)


「いちおう、『己の主義と私情に挟まれて葛藤する』というコンセプトは見事体現したかと思いますよ」

七緒
「僕にとってはなんの得もないけどね」

征史郎
「おい和馬、お姫様が不服そうだぞ」

みこと
「和馬くん、デートに行ってあげて!」


「Aまでは許します!!」

くるみ
「それはだめ!!」

七緒
「気を遣うなーーーー!!」

亮也
「あはは、何だコレ」

和馬
「……後でフォローの機会ホントにあんだろーな」

征史郎
「お前が馬に蹴られて死んでほしい僕にとっては残念なことだ」

和馬
「お前の体の馬っぽい部分をズタズタにする」

征史郎
「おいやめろ」


西城 彩音

彩音
「彩音だー」

征史郎
「彩音先輩だ。下の名前で呼ばねば祟られるという事情から、七緒以外はみんな彩音先輩と呼ぶ」

七緒
「先輩を下の名前で呼ぶなんて失礼でしょう」


「……というふうに先輩の意に沿わない行動をとる七緒君ですが、なぜ恐怖の『イヤガラセ』が発生しないのでしょ?」

彩音
「……なんか……それが奴の狙いな気がして……」

七緒
「そ、そんなわけないじゃないですか!!」

和馬
「七緒は変態だなあ」

エレナ
「っスよねー」

七緒
「――っ!! 僕の紹介はどうでもいいでしょう! 西城先輩を攻めて下さい!」

征史郎
「まあもっともだ。補完するならば、御歳18歳にして管弦部の中心人物」

和馬
「管弦部の怪異じゃねーのか」

亮也
「和馬、誤解を招く表現だね。先輩はちょっと立ったまま寝たり床を這いずったり人を舐めまわしたりパンスト被ったりするくらいで普通の人だろ」

和馬
「今挙がったのだけで普通の人じゃねーし前回お前怪異設定煽ってただろがオイ!!」

みこと
「ま、まあ、ちょっと変わったところもあるけど、ヴァイオリンの天才で、天才的な記憶力を持つすごい先輩だよ!」

彩音
「そのかわり他のことは一切できないー」


「えー、そんな感じでウチでも一際濃いキャラな彩音先輩ですが……設定を見る限り、なんと」

くるみ
「なんと?」


「『元々男性だった』……ですと……?」

エレナ
「はぁああああ!?」


「そんな、男の人でこんなだったら捕まるよ!!」

和馬
「純真な直球が来たぜ」

彩音
「……ちょっと効いたー」

亮也
「どういうことなんだい征史郎」

征史郎
「うむ、説明するから釘バットを置け亮也。どうやら『ゾディアックゲーム』および『トガビトノセンリツ』の初期設定では、集合図がギャルギャルしくならないように男女比は男>女で設定されていたようだ」


「た、たしかに。和馬先輩、亮也さん、征史郎さんに七緒くん、悠も入れれば男子が5人。みこと先輩、私、エレナ先輩、千鶴先生にくるみちゃんと、これで女子5人。彩音先輩がもし男性だったら、6対5で男性が多いことに! まあ一皮むけば5対6になるわけですが」

征史郎
「うむ。しかも、そもそも初期設定によれば、彩音先輩の枠にいた男子キャラというのが全く違うコンセプトのキャラだったようだぞ」

亮也
「――じゃあどんなキャラだったんだい」

征史郎
「名前は『丘野 または岡野 健彦(おかの たけひこ)』。ピエロ系で常にアホなことを口走るちょっとしたワルで、過失致死による少年院送り経験あり」

エレナ
「ガチのヤンキーじゃねーっスか」

征史郎
「立ち位置は『和馬の舎弟』」


「(ブーーーー)」

エレナ
「……えーと、りょーやクンがバールっぽいやつ持って作者んちの方に走ってったんだけど」

七緒
「放っておきましょう……雄ヶ原さん、鼻血大丈夫?」


「はひ……ちょっぴり無軌道な乙女心が暴走しただけで……しかし舎弟ですと、こらまたバンカラな」

七緒
「舎弟はともかく、何故に男女比が変わったんですか?」

征史郎
「発注直前までその設定だったのが、ディレTの『華が欲しい』の一声で切って捨てられたという」


「もったいない……!!」


「お姉ちゃん、血が眼からも!!」

和馬
「……いや待て、これ華か!?」

みこと
「失礼だよ和馬くん!? 彩音先輩きれいじゃん! まあちょっと変態だけど!」

彩音
「サドっ気アリでアレ系のマニアでもあるみこみこ○ーすに言われたくにゃいぞ」

みこと
「だれがセクシャルバイオレットですかぁ!!」

征史郎
「女性キャラに差し替えになることが決まったあと、作者が『変態にしていいですか』と聞いたらOKが出たらしい」

和馬
「なんで通ったんだよ!?」

征史郎
「僕の知ったことか! 『広島弁ヒロインと変態とどっちがいいですか』と聞いて『それなら変態かなぁ』とナベDも言ったそうだぞ!!」

和馬
「ナベDぃいいいいいい!!」

彩音
「びゃびゃびょー」


並坂 千鶴

千鶴
「あらら、最後が先生、竹井くんと続くなんて、なんだか作為的♪」

和馬
「極めてクソ食らえだがマジでアミダクジの結果だ」


「アミダクジって片仮名で書くとなんだか恥ずかしい病気みたいですよね」

七緒
「全然そんなことない! というか進めて下さい!」


「おおう、そうですね……えーと、年齢不詳にして見目美しき管弦部の顧問教官、並坂千鶴先生です!」

千鶴
「うふふ、もったいない紹介をありがとう♪」

和馬
「……」

七緒
「…………」

征史郎
「……まあ、正体についてはもうバレバレだろうから、あえてその話はもういいだろう」

征史郎
「よく『ショボい』などと称される千鶴先生だが、それは彼女のコンセプトに深く関わっているようだ」

くるみ
「……どういうこと?」

征史郎
「『敗北しない悪、というものの最悪さ』」

七緒
「……ああ……」

和馬
「……なるほどな」

征史郎
「本作で試みられた様々な『悪』の提示。正義を騙る悪。純粋すぎるがゆえの悪。正当化された悪。悪意を伴う悪、伴わない悪……そのうちでも最も悪質なものとして提示されたのが、それだ」

みこと
「……その善悪観って、作者の思想?」

征史郎
「そういうわけじゃないらしい。強いて言うなら『トガビト』の設計思想の1つではあるだろうけどな」

七緒
「物語に一貫性を持たせるために採用したってことでしょうか」

征史郎
「そこは読み手の想像に任せよう。ま、どれだけフォローしても、その『悪』に対して読者がビビらなければ無意味だが」

和馬
「――だってよ雑魚先生」

千鶴
「うふふ♪ 竹井くん覚えてる? 徒手空拳における個人の戦闘能力で言えば先生がトップだっていう設定――」

和馬
「ぐおおおおおお!! 筋が!! 筋があがああああああ!!」


「ほかにも設定はあるの?」

征史郎
「名前、設定、性格含め、彼女についてはまったく変更がない。裏設定もほぼこの時点からできていたようだ。『断片集・殲率』でぜひ垣間見てほしいところだな」


竹井 和馬

征史郎
「そして最後は我らがダメ主人公だ」

和馬
「あー否定はしねー……竹井和馬、17歳、管弦部のエセ不良」


「そんな卑下しなくても、先輩はご面相だけで十分に番長ですよ!」

和馬
「エセでいてーんだよ俺は! 粋がってんのが徐々に恥ずかしくなるお年頃なんでな!」

彩音
「そうして『カッコ悪いのがカッコいい』方面にシフトしても結局そのうち恥ずかしくなると思うぞ」

和馬
「なんで俺を冷静に刺すときだけ正気なんだあんた」

みこと
「――こんな感じで、ぶっちゃけ七緒くんがいないときは一番のいじられキャラだよね和馬くん」

和馬
「うるせー」

亮也
「でも、過去に抱えるものは重い」

和馬
「……お前らほどじゃねーよ」

征史郎
「ちなみにこいつの前身は『筧 拓馬(かけい たくま)』だったそうだな。役者の名前みたいだって理由で『た』と『か』をひっくり返して『竹井 和馬』になったそうだ」

くるみ
「それだと『かくま』じゃん」

征史郎
「………………」

征史郎
「………………おお、本当だ。すごいなミュータント和馬、作者すらも気付かないうちにお前は突然変異を遂げてたようだぞ」

和馬
「お前をピザまみれにする」

征史郎
「おいやめろ」

和馬
「……まーいいや。どんなやつだったんだ、そいつは」

征史郎
「暴力事件で補導歴あり、一家心中から逃れた過去あり」

和馬
「ヘビーすぎるわ!!」

七緒
「……しかし方向性は近いでしょう。家族がらみの重い過去を背負っているという意味で」

和馬
「あー」

亮也
「実際、過去の設定を見るかぎりでは家庭問題を抱えていたのは『拓馬』1人のようだ。ある意味、『トガビト』のテーマの一つを持ち込んだのは『拓馬』なのだろうね」

和馬
「……べつに嬉しくも悲しくもねーけどな」


「どーでもいいエピソードとして、ケムコ内に実名『かずま』さんがおられたために制作中は色々不便だったとかです」

七緒
「どうでもよくない! その『かずま』さんがケータイ版・スマホ版含めてグラフィック加工やインターフェイスデザイン等ケムコ内のデザイン作業の大部分をやってくれたんだから!」


「『かずま』さんに感謝だね!」

征史郎
「うむ。スタッフロールをもう一度みてみるとよいかもしれないな。それに比べこっちの和馬ときたら」

和馬
「お前の『と』と『せ』を入れ替える」

征史郎
「おいやめろ」

みこと
「……和馬くんといえば、あのカントリードールふうの人形だよね!」

彩音
「ごりおしだにょぉ……」

みこと
「い、いいじゃないですか! 実際ガラケー版のサイトのキャラ絵のかわりで出てるくらいだし!」

征史郎
「あれについては蛇屋さんがギリッギリのスケジュールで作ってくれたようだ。おかげでガラケー版には組み込まれていないがスマホ版には入っているぞ」


「資料集には『とにかくかわいい』とか無茶振りが書いてあるよーですが」

みこと
「……えへへ」

亮也
「和馬、死んでくれるかい」

和馬
「えっ、ぬおおおおおおおおおおお!!! てめー亮也、チェンソーは卑怯だろがああああ!!」

亮也
「すまない和馬、雪村さんが死ぬほど可愛いのだけどその笑顔が君に向いているという社会的犯罪を放置するわけにはいかないんだ。これはあくまで正義であって僕は感動しません」

和馬
「大嘘ぶっこけ――どぁああああああああ!!!」




征史郎
「えー、主役が地の果てまで追われていったのでここはこれまでってことで」


「みこと先輩責任とってくださいよおおおお!!」

みこと
「あ、あはっははは、ぎゃ、ギャグだよねコレ!?」

キャラ紹介・裏も表も! 


©2012 KEMCO